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心血管代謝と老化シグナル

血管石灰化の分子機序

孫輔卿秋下雅弘

血管医学 Vol.9 No.1, 51-56, 2008

血管石灰化は心血管疾患の成り立ちを理解するうえできわめて重要であり, その発症機序には, 血管平滑筋細胞のアポトーシスと, 骨・軟骨様細胞への形質変化が深く関わっている. 平滑筋細胞のアポトーシスはgrowth arrest-specific gene6(Gas6)を介するsurvivalシグナル経路の抑制により, また, 骨・軟骨様細胞への形質変化はIII型Na-P共輪送体(Pit-1)を介し, 骨形成に関わる転写因子(Cbfa1, Msx2など)の制御で産生された骨関連蛋白により, 血管石灰化の開始と進行に重要な役割を果たしている. はじめに 血管石灰化は, 進行した動脈硬化によくみられる病変であり, 加齢に伴い増加する血管の変化である1)2). 大動脈の石灰化による伸展性の低下は, 大動脈のWindkessel(ふいご)機能を低下させることにより収縮期高血圧を惹起し, 大動脈瘤, 大動脈解離の基盤となる3). 一方, 慢性腎不全の患者では正常な人に比べ, 高度(2~5倍)の血管石灰化が認められ, 心血管疾患に合併する症例が多い4)5). 慢性腎不全の患者において, 血管石灰化に寄与する危険因子のひとつは血清P(リン)の上昇である.

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