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心血管代謝と老化シグナル

α-Klothoはカルシウムホメオスタシスを統合する

鍋島陽一

血管医学 Vol.9 No.1, 37-44, 2008

多年にわたって精力的にカルシウムホメオスタシスに関する研究が行われており, 生命現象の制御におけるカルシウム恒常性維持の意義とその制御機構については, すでに確立されたものと思われてきた. ところが, 最近明らかになったα-Klothoの分子機能は, カルシウム制御領域に大きなインパクトを与え, 新たな概念をもたらすこととなった. はじめに α-Klotho(a regulator that integrates calcium homeostasis)はNa+/K+ ATPaseと結合しており, 細胞外カルシウムの低下に伴いNa+/K+ ATPaseを細胞膜にリクルートし, その活性を制御している. 作り出されたNa+の濃度勾配あるいは膜電位の変化は, カルシウムの能動輸送(腎遠位尿細管, 脳の脈絡膜)あるいはPTH(副甲状腺ホルモン)の分泌(副甲状腺)を誘導し, 細胞外カルシウム濃度を上昇させる. また, FGF23(線維芽細胞増殖因子23)が1α-ヒドロキシラーゼ遺伝子の発現を負に制御するシグナル伝達にα-Klothoが必須であり(腎遠位尿細管), 活性型ビタミンD合成を抑制する. すなわち, α-Klothoは脳脊髄液, 血液・体液のカルシウム恒常性を維持するための多段階の制御機構を統御する因子であり, 細胞外カルシウム濃度を瞬時にアジャストし, かつ長時間にわたってきわめて狭い生理的濃度範囲に保持する役割を担っている.

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