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侵襲をめぐるQ&A

(刺激伝達系)Q ERK-MAPK経路阻害による癌治療の可能性について教えて下さい

河野通明谷村進

Surgery Frontier Vol.15 No.2, 83-87, 2008

A「はじめに」細胞内で機能している多数のシグナル伝達経路の中で, ERK-MAPK経路は細胞増殖・運動・生存の制御において中心的な役割を果たしている(図1)1). したがって, 上記経路の制御不全による機能亢進は, 細胞の異常増殖・運動性の獲得, 不死化につながる可能性が高いが, これこそが「癌細胞の特性」である. 実際, 多くのヒト癌細胞においてERK-MAPK経路の恒常的機能亢進が認められている. 本稿では, 癌治療における絶好の分子標的であるERK-MAPK経路について, 癌細胞のさまざまな特性獲得との相関に焦点を当てながら解説する. 癌細胞におけるERK-MAPK経路の機能亢進 さまざまな組織由来の癌細胞(樹立細胞株, 手術摘出癌組織)において, ERK-MAPK経路の恒常的活性化が認められる2). なお, 腎臓, 膵臓, 大腸, 肺, 卵巣より由来した癌細胞において特に高頻度(40~60%)に, 一方, 食道, 胃, 肝臓, 造血器系より由来した癌細胞では低頻度と, 由来臓器によってERK-MAPK経路活性化の頻度には差がある.

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