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第54回血液凝固と炎症―最近の進歩― 組織因子経路インヒビター(TFPI)

羽室強

Surgery Frontier Vol.14 No.3, 73-75, 2007

<はじめに> 組織因子経路インヒビター(tissue factor pathway inhibitor:TFPI)は276アミノ酸からなる1本鎖の糖蛋白質である. TFPIは組織因子/活性化血液凝固第VII因子複合体(TF/VIIa)や活性化血液凝固第X因子(Xa)といった外因系血液凝固カスケードの開始点を阻害するため, 生体由来の抗凝固因子としては最も強力な作用を発揮する. また, TFPIは単なる血液凝固の制御因子としてだけではなく, 血管内皮細胞や血管平滑筋の増殖を調節する作用をもつこと1)2), また, 血管内皮細胞に対しては, アゴニストとして遺伝子発現を引き起こす機能をもつことが明らかとなった3). 本稿では, TFPIの特徴を述べるとともに, 最近われわれが見出した炎症性細胞由来のプロテアーゼ, 特に肥満細胞由来プロテアーゼとのかかわりについて紹介したい. TFPIはKunitz型プロテアーゼインヒビタードメインが3つ連続して並んだユニークな構造をもつ. 生体内では主に血管内皮細胞で合成されると考えられているが, 血漿中にはリポ蛋白質と結合して循環している分子(脂質結合型)と, TFPI単独で循環している分子(遊離型TFPI)とが存在しており, これらを合わせても血漿中の濃度は100ng/mL程度と極めて少ない.

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