<< 一覧に戻る

腫瘍マーカー―遺伝子・分子・蛋白マーカーの活用―

腹腔内癌細胞診断における腫瘍マーカー

―DNAチップを用いた腹膜播種診断のための新規マーカーの探索―

阪倉長平宮川公治萩原明於山岸久一

Surgery Frontier Vol.13 No.4, 51-58, 2006

腹膜転移(癌性腹膜炎)は, 消化器癌の死亡原因のなかで大きな割合を占める, 重大な予後規定因子である. 最近では胃癌手術時の術中洗浄細胞診が一般に広く行われているが, その正診率は必ずしも十分ではない. そこで, DNAチップを用いて腹膜転移由来胃癌細胞株の遺伝子発現変化を網羅的に解析し, 腹水胃癌で特異的に発現上昇している遺伝子を複数個同定し, これらの新しい診断マーカーとしての有用性を検討した. DNAマイクロアレイを用いて腹水胃癌細胞株6種類における発現解析およびクラスター解析を行った. コントロール群に比較して発現昂進, 発現減弱しているものを約40個選択した. この中にはすでに胃癌の腹膜転移に関連することが報告されているもののほかに, (1)細胞接着関連遺伝子, (2)シグナル伝達系遺伝子, (3)アポトーシス関連遺伝子, (4)免疫系, (5)細胞骨格, (6)薬物代謝など, いまだ胃癌への関与が知られていないものが多数含まれていた. これらの新しいマーカーを指標とする迅速定量RT-PCR法により, 腹腔内の微少癌細胞を従来の腹腔洗浄細胞診に比べて, より高感度, 特異的に検出することが可能であり, 術中迅速遺伝子診断として腹腔内癌化学療法の適応決定や手術術式決定に応用しうると考えられた. さらに, 新しい検査法として注目されているRNA定量検査法(TRC法)の最近の知見について概説した.

記事本文はM-Review会員のみお読みいただけます。

メールアドレス

パスワード

M-Review会員にご登録いただくと、会員限定コンテンツの閲覧やメールマガジンなど様々な情報サービスをご利用いただけます。

新規会員登録

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

一覧に戻る