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癌ワクチン療法の現状と展望

腎癌に対するCA9ペプチドワクチン療法

植村天受

Surgery Frontier Vol.13 No.3, 54-59, 2006

carbonic anhydrase 9(CA9)はさまざまな悪性腫瘍に発現する癌関連抗原であるが, 腎細胞癌においては90%に高率かつ特異的に強発現しており, 診断と治療の標的分子として有望である. 最近では, 抗CA9抗体を用いた治療やイムノシンチなど, 腎癌患者において幅広い臨床研究が行われている. 筆者らは, MHCグラスI(HLA-A24)拘束性のCA9ペプチドワクチン(CA9p219, CA9p288, CA9p323)を開発し, 難治性腎癌患者に対して第I相臨床試験を行った. 対象は, 既存のサイトカイン療法不応の転移性CA9陽性腎細胞癌23例で, 平均年齢63歳, 平均観察期間は17ヵ月であった. 重篤な有害事象は認めず, 安全と思われた. また, 16例で特異的なCTL誘導を認め, 転移巣の明らかな縮小, 消失を示すPR症例を3例認めた. 以上より, CA9ペプチドワクチン療法は難治性腎癌において有用な新しい治療法であると思われた.

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