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脂肪細胞の解析

第11回 脂肪細胞の分化および肥大の機構(2) 褐色脂肪細胞の起源と分化制御

岡松優子斉藤昌之

The Lipid Vol.17 No.2, 65-71, 2006

褐色脂肪とは ヒトを含めてほ乳動物には, 白色と褐色の2種類の脂肪組織がある(図(1)). それぞれ存在部位や形態が異なるが, 最も際だった違いは生理機能である1). すなわち, どちらも細胞内の中性脂肪から脂肪酸を生成するが, 白色脂肪ではそれを細胞外に放出して全身に供給するのに対して, 褐色脂肪では自身の細胞内で積極的に酸化分解し, そのエネルギーを熱に変換する. そのため, 脂肪酸の酸化分解の場となるミトコンドリアや, 細胞内で脂肪酸をミトコンドリアに運搬すると考えられる心臓型脂肪酸結合蛋白質などが豊富に存在する. その中でも特に重要なのが, 熱産生を担う脱共役蛋白質uncoupling Protein(UCP)1である. UCP1は褐色脂肪のミトコンドリアに特異的に存在し, 酸化的リン酸化を脱共役させて, そのエネルギーを熱へと変換する1, 2). 褐色脂肪での熱産生は交感神経に支配されており, ノルアドレナリンのβ作用により細胞内の中性脂肪が分解されると, 生じた脂肪酸がUCP1を活性化し, 同時に酸化分解されて熱産生の基質となる1, 2). さらに, 交感神経の持続的な活性化はUCP1の遺伝子発現も増加させる(後述).

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