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糖尿病性腎症治療の新しい展望

Ⅱ 新しい腎症治療薬の展望 炎症を制御する薬剤

利根淳仁四方賢一槇野博史

Diabetes Frontier Vol.17 No.4, 497-502, 2006

「はじめに」糖尿病性腎症は慢性的な高血糖により発症する血管合併症であり, その成因には高血糖による酸化ストレス, メイラード反応の亢進によるAdvanced glycation endoproducts(AGEs)の増加, 糸球体血行動態の変化に伴うshear stress(ずり応力)メカニカルストレッチ, ポリオール代謝異常などの細胞内代謝異常を介したprotein kinase C(PKC)の活性化亢進など, さまざまなメカニズムが関与している(図1). われわれは, これらのメカニズムに加えて, マクロファージを中心とした炎症が腎症の成因に関与することを提唱してきた. 一方, 近年動脈硬化の成因に炎症が関与することがRossらによって提唱されてきた1). ここでいう「炎症」とは「発熱, 発赤, 疼痛, 腫脹」などを伴う従来の炎症の概念とは異なり, 血管を主座とする「微小炎症(microinflammation)」であり, 内皮細胞障害(内皮細胞の活性化)を基本病態とする. 糖尿病性腎症と動脈硬化を比較すると, 病変の主座となる血管の大きさや構造は大きく異なるものの, 局所における接着分子ケモカインの発現やマクロファージの浸潤など共通した特徴も多く認められ, microinflammationは糖尿病における大血管障害と細小血管障害に共通したメカニズムといえるかもしれない.

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