わが国における骨代謝研究のあゆみ
FGF23の発見が齎したもの
THE BONE Vol.20 No.5, 83-86, 2006
線維芽細胞増殖因子(fibroblast growth factor:FGF)23は, 低リン血症性くる病/骨軟化症の惹起因子として同定された液性因子である. FGF23の同定後, FGF23遺伝子改変動物の検討, FGF23測定法の開発, 各種疾患の発症におけるFGF23の関与の解明などにより, FGF23はリンや1,25-水酸化ビタミンD濃度の調節ホルモンであることが明らかにされた. このことは, FGFファミリーメンバーの多様性を示すとともに, 蛋白の機能が遺伝子の相同性のみでは推定しきれないことを示しているものと考えられる. 【はじめに】線維芽細胞増殖因子(fibroblast growth factor:FGF)23は, FGFファミリー最後のメンバーとして同定された液性因子である. FGF23は, 当初, 低リン血症性疾患の発症に関与することが報告された. その後, FGF23遺伝子改変動物の検討や高リン血症性疾患の解析などにより, FGF23は生理的なリン調節因子として作用することが明らかにされてきた. 本稿では, FGF23の作用とFGF23作用異常による疾患につき概説するとともに, FGF23の発見が明らかにしたことにつき考察したい.
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※記事の内容は雑誌掲載時のものです。