<< 一覧に戻る

特集 腸内細菌up to date:今まさに明らかになりつつある全身疾患への影響

腸内細菌と発癌

Gut microbiota and carcinogenesis.

大谷直子

Pharma Medica Vol.33 No.10, 49-53, 2015

「はじめに」近年,腸内細菌の研究が進み,ヒトをはじめとする哺乳動物は,腸内細菌と共生する「超生命体(super-organism)」であるという認識が高まっている。実際,ヒトの腸内には500~1,000種類以上,100兆個にも及ぶ数の腸内細菌が存在するといわれており,腸内細菌は宿主が代謝できない物質を代謝したり,宿主の免疫システムを調節して,互いの恒常性を保ち共生している。しかし,ひとたびその恒常性が崩れると,さまざまな疾患の発症につながる可能性があり,癌もそのような腸内細菌のアンバランスにより発症する疾患の1つと考えられる。正常細胞が発癌する場合,多くのケースは遺伝子変異に起因すると考えられる。しかし,腸内細菌のもつ毒素や蛋白により,鍵となる癌遺伝子産物が活性化されたり,DNA損傷や遺伝子変異が促進され,それが発癌につながるケースが考えられる。
「KEY WORDS」腸内細菌,癌,腸肝循環,デオキシコール酸

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

一覧に戻る