【特集 骨粗鬆症の新たな展開】
特集にあたって
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- 掲載誌
- HORMONE FRONTIER IN GYNECOLOGY Vol.20 No.3 10, 2013
- 著者名
- 倉智 博久
- 記事体裁
- 抄録
- 疾患領域
- 代謝・内分泌 / 骨・関節
- 診療科目
- 整形外科 / リウマチ科 / 産婦人科 / 糖尿病・代謝・内分泌科
- 媒体
- HORMONE FRONTIER IN GYNECOLOGY
日本の骨粗鬆症患者は約1,300万人と推定されており, その多くは閉経後女性である. 女性の要介護年数は男性の2~3倍といわれているが, その原因疾患はメタボリック症候群と, 骨粗鬆症をはじめとする骨・骨格筋系の疾患による「ロコモティブ症候群(ロコモ)」である. 男性の「寝たきり」の原因は圧倒的に脳血管障害が多いが, 女性では「ロコモ」の重要性が高いことが指摘されている. 最近, 骨粗鬆症は多くの領域で大きな発展・展開があった. 「骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2011年版」が刊行されたが, ここでは骨粗鬆症の診断や治療開始基準にFRAX(R)を積極的に導入することなど, 大幅な変更が加えられている. 臨床現場で使用できる治療薬は, ここ数年間で大きく増加した. 新たなビタミンD3薬や新たなSERM製剤が登場し, また以前は骨吸収を抑制する薬剤のみであったが, 強力に骨形成を促進するテリパラチド(ヒトPTH1-34)が臨床現場で使用できることとなった. さらに, 開発されつつある治療薬も多数に上る. 分子標的薬である抗RANKL(receptor activator of NF-κB ligand)抗体, 骨形成促進薬である抗スクレロスチン抗体などの開発も進んでいる. メタボリック症候群と骨粗鬆症の連関も注目されている. 糖尿病や動脈硬化などのメタボ関連疾患を有する患者は, 骨量が保たれていても骨折リスクが高いことが明らかとされ, 酸化ストレスなどによる「骨質」の低下が問題視されている. また, 骨の研究では骨免疫学の発展も著しく, この分野の臨床的な重要性も明らかとされつつある. 本特集では, このように新たな展開が広がっている骨粗鬆症について取り上げた. われわれ産婦人科医にとっては, 骨粗鬆症は閉経後の卵巣機能の低下が大きな要因となる疾患であるという概念が基本であり, 骨代謝におけるエストロゲンの重要性には変わりはないと考えられるが, 同時に新たな知見を理解しておくことも重要であろうと思われる.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。
