§論文のポイント
[1]大震災後の3月下旬~6月中旬にかけて,岩手医科大学は主要被災地の避難所を巡回する採血検診を行った.
[2]血圧上昇者が多く,全体の6割に達した.高血圧内服治療者の方が健常者よりも高くなる傾向を認めた.
[3]脂質代謝に関しては,T-Cholが全体の約3割,TGが約4割で高値を示した.
[4]Dダイマー高値者は全体の25%であった.
自宅(通所)避難者より避難所生活者に多く認められ,居住スペースなどの環境因子が作用するものと考えられた.
[5]Dダイマー上昇は高血圧,高脂血症と合併することが多く,これらを指標としてDVT予備軍を抽出することが被災地では必要と考えられた.
§キーワード 東日本大震災/Dダイマー/DVT/避難所生活