爪は皮膚科の診療対象であるが，ネイルサロンでも爪のケアが行われている．しかし，両者ともに爪にかかわっているにもかかわらず，相互理解が進んでいるとはいい難い．爪のトラブルには医療機関でのケアが必ずしも必要ない軽症のものから，高齢者で重症化して歩行困難を来す例まであり，しばしば健康・社会問題にも発展し得る．そこで，皮膚科診療機関とネイルサロンがそれぞれの役割を認識し合うことが，爪のトラブルを抱えるあらゆる人を救う一歩となり得ると考えた．本座談会では，大学病院で爪の専門外来を担当している皮膚科医と老舗ネイルサロンの代表を招き，互いの印象や，ネイルケアの意義，理想的な連携のあり方などについて議論していただいた．