Basic & Clinical Topics
[基礎①]肝臓SIRT2活性の低下が肥満・2型糖尿病モデルでの肝臓糖取り込み障害を引き起こす
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- 掲載誌
- DIABETES UPDATE Vol.8 No.1 14-17, 2019
- 著者名
- 井上 啓
- 記事体裁
- 連載 / 抄録
- 疾患領域
- 代謝・内分泌 / 糖尿病
- 診療科目
- 糖尿病・代謝・内分泌科
- 媒体
- DIABETES UPDATE
肝臓は食事由来の外来性グルコースの約3分の1を取り込んでおり,骨格筋とともに食後における血糖値の恒常性の維持に重要な役割を担っている1)。肥満・2型糖尿病においては,骨格筋における糖取り込みだけではなく肝臓の糖取り込みも障害されており,食後高血糖の誘因となっている2)3)。骨格筋における糖取り込みは,インスリンに依存しており,肥満・2型糖尿病における骨格筋糖取り込み障害は,炎症などに伴うインスリン抵抗性により引き起こされる4)。一方で,肝臓糖取り込みはインスリンだけでなくグルコースにも依存しており1),肝臓糖取り込み障害の詳細な分子メカニズムは明らかにされていない。
肝臓糖取り込みの調節は,グルコースをグルコース-6-リン酸に置換する反応を触媒するグルコキナーゼの活性制御に依存している。肝臓におけるグルコキナーゼ活性は,インスリンなどによる遺伝子転写発現調節とグルコキナーゼ調節タンパク質(GKRP)による活性調節により制御されている5)。特に,門脈血中グルコースレベルの急上昇時に対応するグルコキナーゼ活性調節に,GKRPは重要な役割を担っている。GKRPはグルコキナーゼに結合しその活性を阻害しているが,高グルコース条件下では,GKRPはグルコキナーゼから解離し,グルコキナーゼ活性増加を引き起こす5)。しかし,肥満・2型糖尿病における肝臓糖取り込み障害におけるGKRP依存性のグルコキナーゼ活性調節の役割は解明されていない。
本論文において筆者らは,肝臓のニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD⁺)量が糖取り込みと相関することを明らかにした。NAD⁺は,細胞内エネルギーバランスを反映する代謝物であり,肝臓NAD⁺量は,絶食やカロリー制限により増加し,高脂肪食摂取や加齢で減少する6)。また,肥満・2型糖尿病では肝臓NAD⁺量が低下し,肝臓糖代謝障害の誘因となることが知られている6)-8)。NAD⁺の肝臓糖代謝調節作用に,NAD依存性の脱アセチル化酵素であるサーチュインが重要な役割を果たしている。本論文では,7種類あるサーチュインの1つであるSIRT2がGKRPを脱アセチル化すること,さらに,NAD⁺低下によるSIRT2依存性GKRP脱アセチル化の障害が,肥満・2型糖尿病モデルマウスにおける肝臓糖取り込み障害を引き起こすことを明らかにした。
肝臓糖取り込みの調節は,グルコースをグルコース-6-リン酸に置換する反応を触媒するグルコキナーゼの活性制御に依存している。肝臓におけるグルコキナーゼ活性は,インスリンなどによる遺伝子転写発現調節とグルコキナーゼ調節タンパク質(GKRP)による活性調節により制御されている5)。特に,門脈血中グルコースレベルの急上昇時に対応するグルコキナーゼ活性調節に,GKRPは重要な役割を担っている。GKRPはグルコキナーゼに結合しその活性を阻害しているが,高グルコース条件下では,GKRPはグルコキナーゼから解離し,グルコキナーゼ活性増加を引き起こす5)。しかし,肥満・2型糖尿病における肝臓糖取り込み障害におけるGKRP依存性のグルコキナーゼ活性調節の役割は解明されていない。
本論文において筆者らは,肝臓のニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD⁺)量が糖取り込みと相関することを明らかにした。NAD⁺は,細胞内エネルギーバランスを反映する代謝物であり,肝臓NAD⁺量は,絶食やカロリー制限により増加し,高脂肪食摂取や加齢で減少する6)。また,肥満・2型糖尿病では肝臓NAD⁺量が低下し,肝臓糖代謝障害の誘因となることが知られている6)-8)。NAD⁺の肝臓糖代謝調節作用に,NAD依存性の脱アセチル化酵素であるサーチュインが重要な役割を果たしている。本論文では,7種類あるサーチュインの1つであるSIRT2がGKRPを脱アセチル化すること,さらに,NAD⁺低下によるSIRT2依存性GKRP脱アセチル化の障害が,肥満・2型糖尿病モデルマウスにおける肝臓糖取り込み障害を引き起こすことを明らかにした。
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。
