はじめに  富山県立中央病院は,富山市中心街の東のはずれに位置している。当院は,中央診療棟と10階建ての病棟からなり,血液内科の病棟は8階にある。富山市は,日本海の富山湾から続く起伏の少ない平坦な富山平野の中心にあり,西には神通川が流れ,南東部には3,000メートル級の北アルプスの山々が急峻にそびえ立っている。病院の周囲には,視界を遮る建物がないため,8階の病棟ラウンジから西を見れば活気あふれる富山市中心街の町並みが,東を見れば雄々しく美しい剣岳や立山などの北アルプスの山々が一望できる。病棟から見えるこの風景は,患者に闘病への勇気と生への希望を与えているのではないかと,いつも病棟へ向かう廊下を歩くときに思う。