Summary
癌は,癌幹細胞とその子孫の癌細胞が混在する不均一な細胞集団であり,さらにその周囲の癌微小環境においては,免疫細胞,間質細胞や血管細胞などさまざまな細胞が癌細胞を支えていることが分かってきた。また,癌細胞は周囲組織に浸潤し,血管やリンパ管を介して遠隔臓器に転移する。よって,癌研究においては,癌細胞と癌微小環境に存在する細胞の多彩な機能を多元的にかつ時空間的に解析する必要がある。
近年,動物を生かしたまま,生体内の細胞や分子を可視化し,その機能を解析するin vivoイメージングが注目されている。この新しいテクノロジーは,今までin vitroの手法では解析が困難だった複雑な生命現象や種々の病態の解明などに有効なツールとして期待されている。本稿では,in vivoイメージングの中でも特に発光・蛍光技術を用いたin vivo光イメージングについて,われわれのデータを中心に最近の知見を紹介し,癌転移研究への応用について議論したい。
全文記事
癌と生体イメージング
癌転移の発光・蛍光イメージング
In vivo bioluminescent and fluorescent imaging of cancer metastasis
掲載誌
Surgery Frontier
Vol.18 No.1 29-35,
2011
著者名
今村健志
/
疋田温彦
/
樋渡清司
/
羽生亜紀
記事体裁
特集
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全文記事
疾患領域
癌
診療科目
呼吸器内科
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産婦人科
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消化器内科
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泌尿器科
/
腫瘍内科
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消化器外科
媒体
Surgery Frontier
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