Ⅱ. 基礎
3.脂質分析から見えるCOVID-19病態
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- 掲載誌
- The Lipid Vol.33 No.1 60-67, 2022
- 著者名
- 鈴木 知之 / 柳田 圭介 / 清水 孝雄 / 進藤 英雄
- 記事体裁
- 抄録 / 特集
- 疾患領域
- 循環器 / 代謝・内分泌 / 栄養管理
- 診療科目
- 循環器内科 / 糖尿病・代謝・内分泌科
- 媒体
- The Lipid
- Key Words
- ホスファチジルコリン,ホスファチジルエタノールアミン,コレステロール,PGD₂
SARS-CoV-2感染の重症化因子として肥満,糖尿病,脂質異常症があり,COVID-19と脂質代謝には強い関連が示唆されている。血液などのヒト検体脂質測定は,食事や検体保存状態(回収後の分解が速い)に影響され,定量も困難である。そのため既報間で不一致な項目がみられたが,俯瞰することでCOVID-19における脂質変動の特徴がみえてきた。主要なリポ蛋白構成リン脂質であるホスファチジルコリン量は低下し,コレステロールはLDL-コレステロールとHDL-コレステロールがともに低下しており,この機序として早期からの肝障害が示唆された。エイコサノイドではプロスタグランジンD2(PGD₂)やトロンボキサンB2(TXB₂)が上昇し,炎症反応や凝固異常を助長していると考えられた。質量分析計による高感度な包括的脂質分析はCOVID-19の新たな治療戦略開発の一助になると期待される。
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。
