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いまremissionを考える―統合失調症治療の新たなゴール

統合失調症におけるremissionの意義

渡邊衡一郎

Schizophrenia Frontier Vol.8 No.4, 40-45, 2008

統合失調症の寛解(remission)の定義に関するコンセンサスは, ほかの治癒しにくい身体疾患やうつ病・不安障害に遅れ, 2005年にAndreasenらの検討によって得られた. この定義は, うつ病の基準と比較すると, 総点でなく中核となる精神症状を抽出し, そのすべてが揃って6ヵ月以上軽度以下であり続けるという時間軸が採用された点において, より高いゴール設定となっている. この定義を用いると, 安定していると思われていた外来統合失調症患者のうち3割前後しか該当しないことがわかった. Remission群では, remissionに至らない群と比較して社会的機能がより高いことから, われわれは評価尺度を用い, 目の前の患者がどのレベルにあって, またどの点が十分に改善していないのか把握し, remissionを達成する努力が求められる. しかしながら, このremissionはあくまで症候学的なものであり, QOLや社会的機能などの機能的寛解は含められていない. 今後, こうした機能的な寛解に関してもきちんとした定義が設定され, さらにはこれ.らをすべて網羅し, 長い期間安定させた後に達成されるrecoveryこそが真のゴールとなるべきである.

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