Paper No.1　多血小板血漿（PRP）のアンチエイジングへの可能性：変形性膝関節症（OA）からのエビデンスと老化・炎症性老化への応用

老化は，運動能力，認知機能，そして全体的な生活の質の低下を引き起こす不可避の生物学的プロセスである．分子レベルでは，細胞老化が老化の基本的なメカニズムとして特定されており，これはDNA損傷への反応として始まり，最終的に老化細胞の蓄積と炎症性サイトカインを含む「老化関連分泌表現型（senescence-associated secretory phenotype；SASP）」の産生へとつながる．SASPは周囲の細胞に悪影響を及ぼし，慢性の炎症，組織損傷，幹細胞機能の障害を引き起こし，老化関連疾患（age-related changes/age-related diseases；ARDs）の発症と進行を加速させる．