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トランスレーショナルリサーチ

第8回 消化器外科領域におけるトランスレーショナルリサーチ

山本浩文竹政伊知朗池田正孝関本貢嗣門田守人

Frontiers in Gastroenterology Vol.12 No.4, 60-67, 2007

「はじめに」トランスレーショナルリサーチとは, 基礎研究の成果を臨床応用する過程に必須の橋渡し的な研究である. 消化器外科領域で扱う最も多い対象疾患は各種の癌であるが, 1980年代以降の分子生物学の発展とともに消化器癌に関する莫大な知見が得られてきた. そのなかでもVEGF(vascular endothelial cell growth factor)抗体が2007年4月にわが国でも医薬品として承認されたことはトランスレーショナルリサーチの代表的成果といえよう. そのプロセスは大変長く, VEGFの各種癌での発現状況の調査によって予後因子としての意義が明らかとなり, 各種のVEGF阻害物質が開発され, 動物実験によりその腫瘍抑制効果が確かめられた(前臨床試験). その後VEGF中和抗体がヒトを対象とした第I相臨床試験(投与量・安全性評価), 第II相臨床試験(効果評価), 第III相臨床試験(標準治療との効果比較試験)を経て今日医薬品として認められたわけであるが, VEGF分子がvascular permeability factorとして注目されてから実に30年近い年月を要している.

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