小児排尿障害up date
乳幼児VUR症例における下部尿路機能障害
排尿障害プラクティス Vol.15 No.1, 39-44, 2007
通常の検査で原発性VURと診断された乳幼児の中にも, 詳細なvideo-urodymamic studyを行うと, 高頻度に下部尿路機能障害を認める. 下部尿路機能障害(LUTD)例では, 正常例と比較し, VURの自然消失率は低く, breakthrough UTI(尿路感染症)を高頻度に認める. また, LUTD例に逆流防止術を施行した場合には, 術後の尿路感染症, VURの残存・再発が高頻度に起こる. LUTDは, 蓄尿障害単独, 排出障害単独, 両者の合併のいずれもが認められる. 乳児期のLUTDは, 比較的高頻度に正常化するものの, 特に1歳以上の膀胱容量過多は遷延し, さらに排出障害を合併することも少なくない. VURが自然消失しない症例については特に, LUTDの有無の検索とその治療を優先することが重要と考える. 「はじめに」 膀胱尿管逆流症(VUR)と下部尿路機能障害(LUTD)との相関については数多く報告されている. 通常の検査で原発性VURと診断されている乳幼児の中にも, LUTDを比較的高頻度に認め, LUTDの存在がVURの経過に影響することが知られている. われわれの施設では, VURとLUTDの関係を詳細に評価し, それを治療に反映させる目的で, VURを認める乳幼児には定期的にvideo-urodynamic study(V-UDS)を施行している. これらの結果をまじえて, 乳幼児原発性VUR症例のLUTDについて概説する.
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※記事の内容は雑誌掲載時のものです。