リレーエッセイ―“痛み”の周辺から―
(24)緩和ケアのこの10年のがん治療,鎮痛薬を振り返って
掲載誌
がん患者と対症療法
Vol.24 No.1 83-85,
2013
著者名
下山直人
記事体裁
抄録
疾患領域
癌
診療科目
腫瘍内科
/
麻酔科
媒体
がん患者と対症療法
緩和ケア診療加算として緩和ケアチーム加算が算定されるようになって, 概ね10年が経過しようとしている. それまでは全国的に緩和ケアチームで診療を行っているところはまだ少なく, 緩和ケアチーム加算(正式には緩和ケア診療加算)は緩和ケアチームの設置を加算要件としているがん診療連携拠点病院の基準と相まって, その後の緩和ケアチームの形成を一時的に加速してきた感もある. がん患者のニーズに基づいて緩和ケアチームで患者の苦痛を治療・ケアしていくことは重要であり, 今後も緩和ケアチームの発展は日本の緩和ケアの質の向上, 地域格差の解消などのためには重要である. この10年間, 国のがん対策におけるさまざまな政策, 新たながん治療薬, オピオイド鎮痛薬, 鎮痛補助薬などの出現によって, 緩和ケアを含めさまざまな進歩がみられている. 一番のトピックスは, がん対策基本法が施行され, 早期からの緩和ケアの推進, 疼痛に対する対策の重要性が成文化されていることである.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。