医療界におけるQOL尊重の趨勢に伴い,がんの疼痛対策はもとより,終末期医療のあり方の再検討,がん治療の副作用対策など,対症療法を重視すべきとの議論は盛んになりつつある。がんの諸症状を対象とした対症療法のさまざまな問題点をクローズアップし,医療従事者の診療時の一助となるべく平易に解説。
■特集 療養過程のそれぞれの場面で緩和ケアをどう伝えるか
○はじめに―療養過程のそれぞれの場面で緩和ケアをどう伝えるか―/的場元弘
○診断時からの緩和医療―外科医の立場から―/松岡順治
○がん治療の時期に緩和ケアをいかに伝え,また実施していくか/丹田 滋
○がんが再発したときに,緩和ケアをどう伝え,どう支えていくか/星野 彰
○積極的がん治療終了から緩和ケア主体への移行期における外来での支援体制と看護師の役割/笠谷美保
○緩和ケアを受けるがん患者における病院と診療所の連携/新城拓也
○看護師が関わる意思決定支援と連携/倉持雅代
○緩和ケア病棟の適切な理解のために/長 美鈴
○多職種医療チームで行う緩和ケアの導入/青田美穂
○がん治療担当医にお伝えしたい―患者として緩和ケアに思うこと―/中川けい
○がん情報としての緩和ケアの情報提供のあり方/渡邊清高
■連載
○がん疼痛緩和対策のアドバイス/武田文和 ほか
○基礎医学セミナー 第8回
日本の「統合医療」のゆくえ
―『厚生労働省「統合医療」のあり方に関する検討会』による今後の指針は?―/上園保仁
○リレーエッセイ―“痛み”の周辺から―(24)
緩和ケアのこの10年のがん治療,鎮痛薬を振り返って/下山直人
○海外論文紹介/加藤辰一朗 ほか
・オピオイド耐性患者に対する急性疼痛管理:肥大する問題
・オピオイド誘発性痛覚過敏:疫学とメカニズム,治療に関するレビュー
・オピオイド誘発性痛覚過敏:ペインクリニシャンにとっての臨床的意義
・オピオイド耐性患者における脊椎固定術後の疼痛管理の補助としてのケタミン療法:前向き無作為化試験
・オピオイド使用の既往のある小児の周術期オピオイド必要量