医療界におけるQOL尊重の趨勢に伴い,がんの疼痛対策はもとより,終末期医療のあり方の再検討,がん治療の副作用対策など,対症療法を重視すべきとの議論は盛んになりつつある。がんの諸症状を対象とした対症療法のさまざまな問題点をクローズアップし,医療従事者の診療時の一助となるべく平易に解説。
■特集 院内緩和ケアの活性化の取り組み―緩和ケアチームからの働きかけ―
○当緩和ケアチームの取り組み/岩波悦勝 ほか
○緩和ケアの院内普及とチーム医療の実践―仙台医療センター緩和ケアチーム7年のあゆみ―/高橋通規
○「がんになっても安心して暮らせる町」をめざして―がん療養支援・緩和ケア部と地域の取り組み/星野 彰 ほか
○緩和ケアチーム活性化の取り組み―院内緩和ケアチームでの新たな試みについて―/奥山慎一郎
○国立がん研究センター東病院における専門的緩和ケアサービスの活動/松本禎久
○必要とされる緩和ケアチームをめざして:専門性を高めることの重要性/余宮きのみ ほか
○当院における緩和ケアチーム活動の現状と今後の課題/大野茂樹 ほか
○なくてはならないチームになるために/山本 亮
■連載
○がん疼痛緩和対策のアドバイス/武田文和 ほか
○基礎医学セミナー 第7回
ここまでわかってきた漢方薬の「なぜ効くの?」と「本当に効くの?」―科学的エビデンスに基づいた,がん患者のQOLを高める漢方薬の効果―/上園保仁
○リレーエッセイ―“痛み”の周辺から―(23)
がん患者の子どもにとっての親の痛み/的場元弘
○海外論文紹介/榎原雅代 ほか
・がん性疼痛は治療できているのか?
・オピオイドが使用されているがん性疼痛に対する抗痙攣薬および抗うつ薬の有効性についての系統的レビュー
・がん患者におけるオピオイドによる嘔気・嘔吐への対処:系統的レビューとエビデンスに基づいた推奨
・中等度~重度のがん性疼痛と腎機能障害患者に対するオピオイド使用に関するシステマティックレビュー