2015.10.09 発売
Medical Topics Series
不整脈2015
監修杉本 恒明
編集井上 博
臨床医学_内科系 > 循環器
| 定価 | 4,400円(本体4,000円+税) |
|---|---|
| 発行形態 | B5判 / 216ページ |
| ISBN | 978-4-7792-1494-3 |
おすすめポイント
不整脈治療の最新のトピックスを臨床と関わりの深い基礎的研究も含めて詳細に,かつわかりやすく解説。
内容紹介
隔年ごとに新たな編集を重ねている『Medical Topics Series不整脈』シリーズが,このほど2015年度版を編集する時期を迎えた。いつもながら,編集者,井上博教授の構想で,今回20題のテーマが選定された。それぞれにタイムリーなテーマであった。執筆をお願いしたのは各分野でご活躍の第一人者である。寄せられた総説を拝見して,それぞれの分野でこの2年間に加わった新知見,新たに開拓された分野の進歩をみて,素晴らしい展望を真っ先に知ることの喜びを味わった。
第一には,遺伝子解析の進歩があった。網羅的で先入観が入らない全ゲノム相関解析が可能となった一方,遺伝子異常の局在によって分子レベルの病態発現機構が明らかになってきたのは大きな収穫であった。第二には,iPS細胞研究の進歩がある。動物実験が難しくなったこともあって,薬物の心毒性試験にはiPS細胞が用いられるようになってきた。むしろ,ヒト由来のiPS細胞であることの意味が大きいという。そして,細胞と臨床を結ぶ橋渡しがシミュレーション研究である。慢性心房細動,遺伝性不整脈のin silicoモデルが紹介されている。第三には,心房細動の診断と治療の変貌があった。脳卒中の20%が心房細動に起因する脳梗塞であり,一方80歳代では全人口の10%に心房細動がみられるともいう時代なのである。レートコントロールとしたときの目標レートはまだ決まっていなかったらしい。治療法の1つとして自律神経叢アブレーションが注目され,臨床経験と併せて実験的観察が紹介されている。液化亜酸化窒素を用いた冷凍凝固バルーンアブレーションは手技時間を短くし,アブレーション部位のテスト法ともなるようである。抗疑固薬療法については新薬が相次いで開発され,使い方は大きく進歩し,かつ広く普及してきた。観血的手技においても投与されるが,中止の要否,そのあり方は一般人の間ですら話題になるため,医師としての理解が必要である。第四としては,進行性刺激伝導障害や突然死症候群,ARVCなどがある。これについては管理のあり方が問われている。QT延長症候群,Brugada症候群などは,一般社会に周知されるに伴って相談を受ける医師にとっては常に最新の知識が不可欠となってきた。ARVCでは運動制限が大事であるという。第五として,いつの時代にも変わらない大きな課題が突然死の瞬間の予知と予防である。植込み型ループ心電計記録では,反復性失神43例中24例で確定診断に至ったという。AEDとICDの中間型ともいえる装着型自動除細動器(WCD)は,米国では16万人に処方されているという。ホルター記録中における事故例が改めて解析されて,自律神経活動の関与が検討されている。現実的には,自動車運転中の事故防止に関わる医師の責任問題がある。学会ガイドラインとともに海外での現状が紹介されている。このような事故原因となるのは循環器疾患ばかりではないのであるが,医師としての理解が求められるのは当然のことであろう。
ここ2年の間の大きな進歩が読み応えのある展望となっている。執筆いただいた各位に読者の方々に代わって,厚くお礼を申し上げたい。
(杉本恒明「序文」より)
目次
基礎
1.コモン不整脈の遺伝的リスク/古川哲史
2.致死性不整脈と遺伝子変異/大野聖子
3.iPS細胞を用いた抗不整脈薬の心毒性評価/黒川洵子
4.コンピューターシミュレーションと不整脈/芦原貴司
5.Ganglionated plexusと心房細動:基礎/西田邦洋
臨床
1.Ganglionated plexusと心房細動:臨床/中川 博
2.透析患者の心房細動治療/志賀 剛
3.心房細動のレート・コントロール:ジギタリス製剤、β遮断薬の見直し/池田隆徳
4.わが国の心房細動アブレーションの現状と課題:J-CARAF研究/井上耕一
5.心房細動のクライオアブレーション/木村正臣 他
6.心原性塞栓症の予後と予防/鈴木信也
7.NOACの抗凝固機能モニター/家子正裕
8.観血的手技の際の抗凝固療法/五十嵐 都 他
9.進行性心臓伝導障害/住友直方
10.QT延長症候群とBrugada症候群の予後/森田 宏 他
11.ARVCの診断と治療/木村義隆 他
12.植込み型ループ心電計(ILR)の臨床応用/小林洋一
13.ホルター心電図からみた心臓性突然死/大坂元久 他
14.除細動器の進歩:装着型自動除細動器(WCD),皮下植込み型除細動器(S-ICD)/栗田隆志
15.不整脈患者の自動車運転/安部治彦 他
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