2014.05.29 発売
歴史の中で日本が果たした役割
20世紀までのリウマチ治療・研究
監修七川 歓次
編著越智 隆弘
臨床医学_内科系 > 膠原病・リウマチ・アレルギー
| 定価 | 2,200円(本体2,000円+税) |
|---|---|
| 発行形態 | A4判変型 / 72ページ |
| ISBN | 978-4-7792-1298-7 |
おすすめポイント
急速な発展を示したリウマチ治療の歴史について,1950年頃から20世紀末までを中心に概説。
内容紹介
2013年5月に,広島大学医学部整形外科学教室の越智光夫教授を会長として広島市で盛大に開かれた第86回日本整形外科学会学術総会の主テーマは“彰往察来:歴史から未来へ(Let's learn from history)”と提示され,各領域の過去を振り返りながら将来を見据える内容の講演,シンポジウム,研究発表が次々と展開された。学会場には医学関係者のみでなく諸領域の著名な学者,文化人,スポーツマン,政治家,行政官などの出席をみて,学術総会に溢れる大きな底力に圧倒された。
私は,この学術総会で“彰往察来”に基づくスポンサードセミナーとして,“歴史における日本の果たした役割;リウマチ”の講演依頼を頂いた。これが今まで考えたこともなかった内容を本誌にまとめたきっかけである。私はこの講演依頼をいただいて,「これは難問だ」とたじろいだ。数週間躊躇して,演者をお引き受けする「諾」を返信してから,内容を「20世紀まで」「この度は関節リウマチそのものを解決する目的で進められた医療・研究のみ」と絞った。そして,日本リウマチ学会の創始期から関わってこられた七川歓次先生に監修を御願いした。
論文探しから始まる大きな壁に挑んでいるうちに次第に深みにはまりこんでゆく自分を感じた。深海を覗きこむような気持ちで昔の論文を見ているうちに,もっと昔を覗き込みたい気持ちに駆られたが1800年代終盤以前の論文は見出せなかった。
いろいろ調べながら,私自身が,自分が関与した時代以前のことはほとんど無知であったことに驚いた。せめて20~30年前の経過くらいは知って,自分の時代の研究をするべきであったとも反省した。
諸研究を振り返るとき,最初の発想法は興味深い。たとえば最後に記載した薬品開発研究にも分かりやすい例があるが,最初に見出した研究者が学会あるいは論文で発表しても,評価されずに忘れられてしまうことが多々ある。何年も経って,この価値に気づいた他の研究者が改めて研究を進めて,後者の名前が有名になっている。若い研究者は,自分の気づいた新事実が学会で受け容れられなくても,正しいと信じれば主張を続けるべきと,本誌を眺めて勇気づけられる面もあるのではないか。
“世界のなかの日本のリウマチ研究の歴史”,私はこのような内容の話も聞いたことがなかったし,書物も知らない。「越智光夫会長は,よくこの課題を思いつかれたものだ」と,敬意をもって,改めて学術総会の主テーマである“彰往察来”の深い意味を感じながら本稿を綴った。
(越智隆弘「序論」)
目次
Ⅰ章 リウマチ治療の歴史
1.20世紀半ばのリウマチ治療の一面
2.リウマチ熱から関節リウマチへ
Ⅱ章 リウマチ学創成期の病理学研究
1.海外の病理学研究
2.日本の病理学研究
3.関節炎局所の病理学的変化
Ⅲ章 サリチル酸に始まった消炎鎮痛剤開発
Ⅳ章 金製剤に始まった関節リウマチ治療薬開発
1.金製剤の開発
Ⅴ章 温泉治療
Ⅵ章 リウマチ学のルネッサンス期(1950年頃)
1.自己抗体の発見
2.ステロイド薬の開発
Ⅶ章 1950年頃の日本における薬物治療の実態
Ⅷ章 手術医療への途
1.滑膜切除術
2.調圧神経切除手術
Ⅸ章 関節形成術
1.中間挿入膜使用からモールド(カップ)関節形成術へ
2.人工股関節置換手術の発展
3.人工膝関節手術の発展
4.人工肘関節手術の発展
Ⅹ章 1960年以後の滑膜切除術
1.欧米における滑膜切除術
2.日本で発展し続けた滑膜切除術
ⅩⅠ章 病因・病態研究
1.滑膜細胞の電子顕微鏡学的病態解明
2.関節リウマチの発症誘因としての微生物説
3.関節リウマチの骨髄主病巣説
ⅩⅡ章 疫学研究
1.環境要因(罹病率・有病率)の検討
2.遺伝要因の検討
ⅩⅢ章 日本で使われている関節リウマチ治療薬の開発研究
1.免疫調節薬
2.SH剤(sulfhydryl化合物)
3.その他
4.免疫抑制薬
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