2010.03.31 発売
心臓核医学の実践的応用 ―症例と解説―
著者石田 良雄
臨床医学_内科系 > 循環器
| 定価 | 4,400円(本体4,000円+税) |
|---|---|
| 発行形態 | A4判 / 164ページ |
| ISBN | 978-4-7792-0535-4 |
おすすめポイント
国立循環器病センターでの興味深い症例を呈示し,それをもとに実践的な立場から心臓核医学の臨床的価値について記述。
内容紹介
本著は,私が国立循環器病センターで過ごした18年間(1992~2009)に経験した興味深い症例を呈示し,それをもとに実践的な立場から心臓核医学の臨床的価値について記述したものである。また,われわれのチームが医師と放射線技師の強い絆のもとで,SPECTとPETを駆使して,診療の質的向上と病態解明のために研鑽を重ねた長年の研究成果を,解説に盛り込んだ。心臓核医学に対する一般的な理解だけでなく,われわれのオリジナルな取り組みに共感していただければ幸いである。
保険適用の対象疾患が制限されることで,PETは循環器疾患への応用が難しくなっている。心臓viability評価のための18F-FDG PET以外は,現在のとこと保険適用が認められていない。本著では,それを意識して,心サルコイドーシスの病勢評価や炎症性心血管疾患の診断への18- FDG PETの応用,多枝冠動脈疾患に対する冠血行再建術の適応決定や冠微小循環障害の診断への心筋血流PETの応用などの,新しい適応に言及した。また一方,DPC(医療費の定額支払い制度の使われる評価法,Diagnosis Procedure Combination)が施行されてから,採算面の理由で1人の入院患者に複数の核医学検査を実施することが困難になった。疾患の重症度評価や病態把握のために123I-MIBG,123I-BMIPP,99mTc-pyrophosphateなどの心筋生化学イメージングに対して臨床の現場からのニーズが高いが,これらは心筋血流イメージングとの対比に基づいて診断情報が抽出されるので,二種の検査の実施が不可欠となる。残念ながら,DPCの適用が広がる中,心筋血流イメージングが優先され,生化学イメージングの利用が抑制される傾向が生じてしまった。これは由々しき問題であると思う。そこで,本著では,この生化学イメージングが診療の質的向上においていかに貢献度が高いかについて,その実例を多く取り上げた。その必要性を強調することで,現行法の改訂を強く求めるものである。
(石田良雄「序」より)
目次
症例 1
【症例】急性心筋梗塞発症後の経過で左室機能回復が顕著であった一例
【解説】急性心筋梗塞再潅流療法後の心筋サルベージの評価
症例 2
【症例】急性心筋梗塞発症後送気における残存冠狭窄病変の検出にアデノシン負荷心筋血流SPECTが利用された一例
【解説】急性心筋梗塞例の発症後早期における薬剤負荷心筋血流SPECT検査
症例 3
【症例】急性心筋梗塞が疑われてCCUに収容された「たこつぼ心筋症」の一例
【解説】「たこつぼ心筋症」の病態解明への心臓核医学検査の貢献
症例 4
【症例】急性心不全症状と左室基部の一過性収縮異常を呈した「褐色細胞腫」の一例
【解説】褐色細胞腫と心臓核医学検査
症例 5
【症例】胸痛発作の精査に冠動脈CTアンギオグラフィと運動負荷心筋血流SPECTが利用された一例
【解説】冠動脈疾患の診療における冠動脈CTアンギオグラフィと負荷心筋血流SPECTの役割
症例 6
【症例】運動負荷心筋血流SPECTで,心電図ST上昇が誘発された混合性狭心症(Mixed Angina)の一例
【解説】運動負荷時の心電図ST上昇と混合性狭心症(Mixed Angina)
症例 7
【症例】アデノシン負荷心筋血流SPECTで,胸痛ならびに心電図ST低下が誘発された,大動脈弁狭窄合併の狭心症の一例
【解説】薬剤(冠血管拡張薬)負荷心筋血流SPECTにおける心筋虚血の誘発/大動脈弁狭窄と心筋虚血
症例 8
【症例】低血糖が狭心症発作を誘発した糖尿病治療中の一例
【解説】低血糖誘発性狭心症
症例 9
【症例】意識消失を来たした冠攣縮性狭心症(多枝冠攣縮)の一例
【解説】冠攣縮性狭心症と心臓核医学検査
症例10
【症例】冠血行再建術の適応決定と術後のフォローアップに,運動負荷心筋血流SPECTが効果的に利用された労作性狭心症の一例
【解説】カテーテルインターベンション(PCI)による冠血行再建術と心臓核医学検査
症例11
【症例】冠動脈ステント治療で側枝閉塞(Stent Jail)を起こした労作性狭心症の一例
【解説】カテーテルインターベンション(PCI)の術後フォローアップにおける負荷心筋血流SPECTの有効性
症例12
【症例】虚血性心筋症に対する外科的冠血行再建術の適応決定に,18F-FDG PETによる心筋viability評価が有効であった一例
【解説】重症冠動脈疾患(虚血性心筋症)における心筋viability評価: 18F-FDG PETの有用性
症例13
【症例】欠伸発作の精査で発見された「Bland-white-Garland症候群」の一例
【解説】冠動脈先天奇形と心筋血流障害
症例14
【症例】心電図変化を伴う胸痛発作にもかかわらずCAG正常であった“Cardiac Syndrome X”の一例
【解説】“Cardiac Syndrome X”の病態と心臓核医学検査
症例15
【症例】冠動脈狭窄が軽度にもかかわらず高度左心不全を呈した冠危険因子重積症候群の一例
【解説】冠危険因子重積症候群と冠微小循環障害
症例16
【症例】拡張型心筋症と虚血性心筋症の鑑別に心筋代謝イメージングが有用であった一例
【解説】拡張型心筋症と虚血性心筋症の鑑別における心筋代謝イメージングの有用性
症例17
【症例】β遮断薬治療が心不全改善に有効であった拡張型心筋症の一例
【解説】拡張型心筋症の診療における心臓核医学検査の応用
症例18
【症例】β遮断薬治療に対して不忍容であった重症心不全(拡張型心筋症)の一例
【解説】β遮断薬による心不全治療の効果予測における心臓交感神経イメージングの有用性
症例19
【症例】心臓再同期療法が有効であった進行性筋ジストロフィ(ベッカー型筋ジストロフィ)の一例
【解説】進行性筋ジストロフィ/心臓再同期療法への心電図同期心筋血流SPECTの応用
症例20
【症例】心室瘤の原因精査で18F-FDG PETが有用であった心サルコイドーシスの一例
【解説】心サルコイドーシスの臨床診断と心臓核医学検査
症例21
【症例】不整脈原性右室異形成症と間違われた右室限局型心サルコイドーシスの一例
【解説】右室限局型心サルコイドーシスと不整脈原性右室異形成症(ARVD)
症例22
【症例】ステロイド治療による寛解とその後の再燃が認められた心サルコイドーシスの一例
【解説】心サルコイドーシスの治療と心臓核医学検査
症例23
【症例】Loffler心内膜心筋炎の一例
【解説】Loffler心内膜心筋炎と心臓核医学検査
症例24
【症例】心筋代謝イメージングで高度な異常が観察された閉塞性肥大型心筋症の一例
【解説】肥大型心筋症と心臓核医学検査
症例25
【症例】心肥大の原因精査で発見された心アミロイドーシスの一例
【解説】心アミロイドーシスと99mTc-pyrophosphateシンチグラフィ
症例26
【症例】心Fabry病で酵素補充療法が試みられた一例
【解説】心Fabry病と画像診断
症例27
【症例】急性心膜炎より急激に発症した収縮性心膜炎の一例
【解説】心膜炎と18F-FDG PETによる炎症イメージング
症例28
【症例】SLEに伴う肺高血圧(膠原病性肺高血圧)の一例
【解説】肺高血圧症の重症度評価への心筋血流SPECTの応用
症例29
【症例】拡張型心筋症の病像を呈したI型CD36欠損症(123I-BMIPP心筋無集積)の一例
【解説】CD36欠損症と心筋代謝イメージング
症例30
【症例】123I-MIBGの心臓無集積を呈したパーキンソン病の一例
【解説】心臓交感神経イメージング(123I-MIBG)によるパーキンソン病の診断
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