本書は，全国の診療所や病院で働くナースと看護学生のために，現役の臨床医が「ふつうの病気」について書いた本です。マニュアル本や専門書はたくさんありますが，すべての診療科をカバーした手軽な書籍は少なく，医療・介護・保健に携わる人たちにも役立ちます。
私たちは，次の3点を念頭において，この本をつくりました。
（1）ふつうのナースが読んでわかる本（難解で格式ばった専門書ではない）
（2）ふつうの病気を知って理解する本（まれな病気や特殊な疾患ではない）
（3）臨床医が自分の仕事を書いた本（自分がやっていないことは書かない）
執筆者のほとんどは大学の同級生です。50歳を少し過ぎ，そろそろ自分たちが病気でナースのお世話になる年齢です。本書は「疾患」「検査」「治療」「看護」の4本立てですが，「看護のコツ」や「ドクターからのエール」には，そんな私たちの熱い思いが込められています。
（安達洋祐「はじめに」より）
第1章 循環器
／1．狭心症／2．心筋梗塞／3．心筋症／4．弁膜症／5．不整脈／6．心不全（急性・慢性）／7．心タンポナーデ／8．大動脈解離／9．胸部大動脈瘤／10．腹部大動脈瘤
第2章 呼吸器
／1．肺炎／2．肺結核／3．肺気腫／4．気管支喘息／5．過換気症候群／6．気胸／7．肺がん
第3章 消化器
／1．う歯／2．歯周病／3．胃・十二指腸潰瘍／4．炎症性腸疾患／5．大腸憩室／6．腸閉塞／7．肝炎／8．肝硬変／9．胆石症／10．膵炎（急性・慢性）／11．食道がん／12．胃がん／13．大腸がん／14．肝臓がん／15．膵臓がん／16．胆道がん
第4章 泌尿器
／1．糸球体腎炎／2．腎不全（急性・慢性）／3．ネフローゼ症候群／4．膀胱炎／5．腎盂腎炎／6．尿路結石／7．前立腺肥大症・前立腺がん
第5章 運動器
／1．腰痛症（急性・慢性）／2．大腿骨頸部骨折／3．変形性膝関節症／4．関節リウマチ／5．骨粗鬆症／6．椎間板ヘルニア／7．脊髄損傷
第6章 感覚器
／1．白内障／2．緑内障／3．中耳炎／4．メニエール病／5．アレルギー性鼻炎／6．アトピー性皮膚炎／7．帯状疱疹
第7章 脳神経
／1．髄膜炎／2．脳梗塞／3．脳出血／4．くも膜下出血／5．脳腫瘍／6．パーキンソン病／7．筋萎縮性側索硬化症（ALS）
第8章 造血器
／1．貧血／2．白血病／3．悪性リンパ腫／4．多発性骨髄腫／5．血小板減少性紫斑病
第9章 内分泌・膠原病
／1．バセドウ病／2．クッシング症候群／3．副腎不全（急性・慢性）／4．膠原病（SLEなど）
第10章 生活習慣病
／1．高血圧／2．糖尿病／3．脂質異常症／4．痛風（高尿酸血症）／5．肥満／6．メタボリック症候群
第11章 精神
／1．神経症／2．うつ病／3．統合失調症／4．認知症／5．アルツハイマー病／6．アルコール依存症／7．摂食障害／8．てんかん
第12章 女性
／1．子宮筋腫／2．子宮内膜症／3．性感染症（STD）／4．子宮がん／5．卵巣がん／6．妊娠（異常）／7．分娩（異常）／8．乳がん
第13章 小児
／1．小児白血病／2．発疹性疾患／3．川崎病／4．障害児／5．被虐待児／6．そけいヘルニア／7．虫垂炎／8．腸重積