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バイオメディカルフォーラム

第21回 (シンポジウム)敗血症性DICに対するAT-Ⅲ製剤,トロンボモジュリン製剤の効果について

須賀弘泰中川隆雄仁科雅良横山利光出口善純佐藤孝幸西久保俊士増田崇光篠原潤

バイオメディカル Vol.21, 19-23, 2011

要 旨
 2008年より,トロンボモジュリンの遺伝子組み換え製剤(rTM)がDICの治療薬として新たに使用されるようになった。rTMは現在まで使用されてきたメシル酸ガベキサート(GM),AT-Ⅲ製剤とは異なるプロテインC凝固抑制系を介して作用する薬剤である。今回,当センターでのrTM使用効果について報告する。2008年10月~2010年12月に敗血症性DICと診断し,rTMを使用した症例は24例である。これらをAT-Ⅲ製剤,GMを併用した13例とAT-Ⅲ製剤を併用した3例,GMのみ併用の8例に分け,各群間でのP/F比,SOFA score,DIC score,AT-Ⅲ活性などについて比較検討した。さらに,rTMを使用せずAT-Ⅲ製剤,GMのみで治療した群とも比較検討した。rTM投与下での各種併用薬剤による臓器障害の指標であるP/F比,SOFA scoreの推移では有意な変化は認められなかったが,DIC scoreは早期に低下する傾向がみられた。また,rTM投与群はrTM非投与群に比較してDIC scoreにおいて有意な改善が認められ,AT-Ⅲ活性においてもrTM投与によって早期に上昇する傾向がみられた。以上より,rTM投与は敗血症性DICに対し,有効な治療法であることが示唆された。

キーワード:敗血症性DIC,トロンボモジュリン製剤,AT-Ⅲ製剤,臓器障害,凝固線溶系

はじめに

 2008年よりトロンボモジュリンの遺伝子組み換え製剤(recombinant thrombomodulin:rTM)がDICの治療薬として新たに使用されるようになった1)-4)。rTMは現在まで使用されてきたメシル酸ガベキサート(GM),AT-Ⅲ製剤とは異なるプロテインC凝固抑制系を介して作用する薬剤であるが1)-5),当センターにおいても2008年10月より,主に敗血症性DIC症例にrTMを使用し良好な治療効果を得ており,これらの治験例について検討を加え報告する。

対象および方法

 2008年10月~2010年12月に敗血症性DICと診断しrTMを使用した症例は24例であった。これらをAT-Ⅲ製剤,GMを併用した13例とAT-Ⅲ製剤を併用した3例,GM併用の8例に分け,各群間でのP/F比,SOFA score,DIC scoreなどについて比較検討した(表1)。

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