<< 一覧に戻る

肝性浮腫―病態・診断・薬物療法

総論 トルバプタンの治験成績

Clinical evidences of tolvaptan

坂井田功

Fluid Management Renaissance Vol.4 Suppl., 57-64, 2014

「Summary」肝性浮腫には既存の利尿薬が投与されてきたが,効果不十分な症例が存在する。水利尿薬トルバプタンは,2013年9月に世界ではじめて「ループ利尿薬等の他の利尿薬で効果不十分な肝硬変における体液貯留」の適応が追加された。承認に向けわが国で行われた治験では,既存の利尿薬では十分な効果が得られず体液貯留が認めれる肝硬変患者に対して,トルバプタン7.5mgを追加することで体重,腹水量,腹囲の減少,および下腿浮腫や体液貯留に伴う臨床症状の改善が認められた。しかも,その効果は既存の利尿薬の用量や投与前の血清アルブミン値に影響されないことも示された。以上の結果から,トルバプタン7.5mgは,既存の利尿薬を投与しても体液貯留が認められる肝硬変患者に対する新たな治療の選択肢として期待されている。トルバプタンの併用療法は有効であるが,その作用機序は既存の利尿薬とは異なるため,投与初期のモニタリングや投与期間,患者への水分摂取の指導など,留意すべき点もある。

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

一覧に戻る