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血管領域におけるDDSの最先端アプローチ

生体内バリアを回避する低酸素応答性人工蛋白質の開発

近藤科江田中正太郎冨本秀和

血管医学 Vol.9 No.2, 87-95, 2008

脂質二重層からなる細胞膜は, 分子の外部からの無秩序な侵入を防ぎ, 細胞内の恒常性を守るためのバリアである. したがって受容体に依存せず, 自由に細胞膜を通過することができる蛋白質は, 細胞内に治療のターゲットがある場合には有用である. 膜透過ドメイン(protein transduction domain;PTD)は, このバリアを突破し, 細胞膜を通過するペプチドである. マウスを用いた実験で, PTDを融合した蛋白質が, 全身の細胞内に蛋白質を運ぶことが報告された. しかも血液脳関門(BBB)も通過して, 脳にまでデリバリーできることが示された. 本稿では, 動物実験レベルではあるが, われわれのPTD融合蛋白質を用いた低酸素領域のイメージング・ターゲティング研究を紹介しながら, PTD融合蛋白質を用いたデリバリーについての最近の知見をまとめてみたい. 「はじめに」 1988年にGreenらとFrankelらの2つのグループが, 同時にエイズウイルス(HTLVIII)の構成蛋白質であるTATは細胞膜を通過することを発表した1)2).

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