<< 一覧に戻る

臨床に応用される血管新生

妊娠高血圧腎症と可溶性Flt-1

大口昭英松原茂樹

血管医学 Vol.8 No.2, 19-27, 2007

妊娠高血圧腎症患者では, 血中のvascular endothelial growth factor receptor-1(VEGFR1)の可溶性フォームであるsoluble fms-like tyrosine kinase type1(sFlt-1, 可溶性Flt-1)が増加している. 可溶性Flt-1は選択的スプライシングによって生じ, リガンドであるVEGF-Aおよび胎盤増殖因子(PIGF)と結合して, その膜型受容体への結合を阻害する. したがって, 可溶性Flt-1はVEGF-AおよびPIGFの内因性阻害分子である. われわれの検討では, 早発型重症妊娠高血圧腎症(妊娠32週未満で発症)では, ほぼ全例で可溶性Flt-1が上昇し(95%値以上), PIGFが低下した(5%値未満)が, 遅発型重症妊娠高血圧腎症(妊娠32週以降で発症)では, このような異常を示した例は約半数で, 残りの半数は可溶性Flt-1あるいはPIGFが正常であった.

記事本文はM-Review会員のみお読みいただけます。

メールアドレス

パスワード

M-Review会員にご登録いただくと、会員限定コンテンツの閲覧やメールマガジンなど様々な情報サービスをご利用いただけます。

新規会員登録

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

一覧に戻る