新刊
Pharma Medica
Vol.42 No.4 22-26,
2026より
特集 主役となる補体
補体と腎疾患
金 恒秀
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加藤 規利
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水野 正司
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丸山 彰一
補体と腎疾患とのかかわりは、血中のC3・C4・CH50の低下や腎免疫染色における補体成分の沈着を認める疾患の存在から古くより指摘されてきたが、ここ数十年でその病態における補体の役割解明が大きく進展した。代表的な疾患は、補体介在性腎疾患と呼ばれる希少疾患の非典型溶血性尿毒症症候群(aHUS)・C3腎症であるが、これまで補体との関係が乏しいと考えられてきたANCA関連血管炎やIgA 腎症といったより日常臨床で遭遇する腎疾患においても補体の制御異常が病態に深く関与していることが数々の研究で示されている。現在、これらの疾患に対して抗補体薬が国内外で承認され、患者の予後が改善することが期待されている。一方で、補体系は活性と制御のバランスが重要であるとされており、そのシステムへの介入に伴う副作用には十分な注意を要する。