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前立腺癌

第11回 ブラキセラピー

斉藤史郎

排尿障害プラクティス Vol.15 No.1, 79-85, 2007

「はじめに」 現在, 前立腺癌に対して日本で行われているbrachytherapy(小線源療法)には, 高線量率イリジウム(HDR Ir-192)を用いた一時挿入療法とヨウ素(I-125)シード線源を用いた永久挿入療法の二通りがある. HDR Ir-192を用いた治療は国内では1994年に開始され, 一時は全国10程度の施設で行われていたが, 2003年により侵襲の少ないI-125シード線源の永久挿入療法が認可されてからはその数が減少している. しかし, 前立腺癌の生物学的な特徴から, 特にPSAやGleasonスコアが高い中間リスク以上の症例においては, Ir-192と外照射(EBRT:external beam radiation therapy)を併用した治療の有効性が高いとする考えもあり1), 症例によりIr-192+EBRTとI-125シード線源永久挿入を使い分けて実施している施設もある. I-125シード線源永久挿入療法は, アメリカでは1990年頃から盛んに行われるようになり, その有効性と安全性が知れるにつれ年々治療件数が増加し, 今では全摘手術をしのぐ年間60,000件以上がアメリカ全土で実施されている. 現在, すでに15年の経過を追った報告もみられ2), 良好な治療成績が示されている. 日本では法的な整備の遅れから, 2003年9月に本治療は開始されたばかりである. それでもその普及はめざましく, 特に2006年4月にこの治療に特化した診療報酬が定まってからは, 急速にこの治療を実施する施設が増加し, 2006年10月の時点で, 全国58施設(図1)で合計4,000件以上の治療がすでに行われている. 本治療は入院期間も短く, 低侵襲で有害事象も少ないうえに全摘手術と同等の治療効果が得られるとされていることより3), 今後ますますこの治療を希望する人が増えるものと考えられている.

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