再びコレステロールを考える
虚血性心疾患発症低下に重要なのはLDLコレステロール低下療法の期間なのか,低下率なのか,低下量なのか
The Lipid Vol.18 No.3, 46-50, 2007
近年のスタチンによる大規模臨床試験の結果からは, コレステロール低下療法が冠動脈イベント抑制に限らず, 総死亡率減少や脳卒中の発症予防も可能であることが明らかにされた. これらの結果を受けて米国では2001年にATP-III(Adult Treatment Panel-III)ガイドラインが策定された. わが国でも2002年に「動脈硬化性疾患診療ガイドライン」が発表されたが, いずれのガイドラインも基本的には患者の併存リスクに応じてLDLコレステロール値の到達目標を定めたものであるといえる. しかしながら, これまでも臨床現場の医師や研究者からはLDLコレステロール値の管理が最も重要である点では一致するものの, 管理指標としては到達目標値に加えてLDLコレステロール下降量も考慮すべきか, また治療期間との関連はどうかについてはいまだ十分に解決されてはいない. 本稿では, 最近の報告から冠動脈疾患発症防止の管理指標の捉え方につき考証を試みた.
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※記事の内容は雑誌掲載時のものです。