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総説

早期糖尿病患者を対象とする糖尿病の進展抑制研究

葛谷健

Diabetes Frontier Vol.17 No.4, 451-456, 2006

「はじめに」糖尿病患者数は世界的に激増しており, その中で特に増えているのは2型糖尿病である. 糖尿病を治療する重要な目的は慢性合併症の予防にある. 網膜症や腎症など糖尿病特有の細小血管症には高血糖の持続とその期間が強く関連している. 一方, 脳梗塞や心筋梗塞などの原因となる動脈硬化症では血糖値のほか, 肥満, 高血圧, 高脂血症, 喫煙などが危険因子となる. 高血糖は両者の危険因子であるが, 細小血管症は血糖が糖尿病域に上昇してはじめて出現するのに対し, 動脈硬化症は境界域程度の高血糖ですでに危険が高まることがわかっている. 糖尿病が患者のQOLを損ない, 経済負担を増大させる大きな原因は, 合併症の発生とその進展にある. 細小血管症を防ぐのには血糖値をできるだけ正常範囲に維持するのが有効である. 動脈硬化症については血糖値だけではなく, 血圧, 脂質の管理も大切である. 2型糖尿病で合併症が生じて生活の質を損なうに至るまでにはいくつかの段階がある(図1). (1)境界型から糖尿病が発病する段階, (2)高血糖の程度が軽い早期糖尿病が進展して血糖がさらに上昇する段階, (3)合併症が出現する段階, (4)それが悪化して生活上の不都合をもたらす段階である.

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