<< 一覧に戻る

骨・軟骨研究の基礎と臨床

基礎編 骨免疫学

高柳広

THE BONE Vol.22 No.3, 57-61, 2008

骨格系と免疫系は, 骨髄微小環境をはじめ, サイトカイン・受容体・転写因子などの制御分子を共有し, 緊密な関係にある. 関節リウマチにおける炎症性骨破壊の研究は, 両者の融合領域である骨免疫学に光を当てた. 破骨細胞分化因子のクローニングに加え, 種々の免疫制御分子の遺伝子改変マウスに骨の異常が見い出され, 骨免疫学の発展を加速させた. 近年では, 骨の細胞と造血幹細胞の関係も解明され, 骨免疫学がさまざまな疾患の制御に重要な知見を提供するようになった. 「骨と免疫の相互作用」骨と免疫の連関は古くから観察されてきた. 免疫細胞が産生する蛋白質が骨に作用することが1980年代に報告され, 以来, 種々のサイトカインの骨構成細胞への作用が検討されてきた. さらに, 骨髄は, 造血幹細胞が維持される造血の場であり, 骨の細胞が造血の制御や免疫系に関わっていることも容易に想像される. 骨免疫学は, この「骨と免疫の相互作用」という古い概念を, 分子レベルの実体として明らかにするために再出発した学際領域である1)2).

記事本文はM-Review会員のみお読みいただけます。

メールアドレス

パスワード

M-Review会員にご登録いただくと、会員限定コンテンツの閲覧やメールマガジンなど様々な情報サービスをご利用いただけます。

新規会員登録

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

一覧に戻る