わが国における骨代謝研究のあゆみ
カルシトニン研究の流れ
THE BONE Vol.20 No.5, 67-75, 2006
魚類, 両生類, 爬虫類および鳥類のカルシトニン(CT)の構造はサケCT系列に属し, その比活性も哺乳類に比べて高い. CTの活性発現には32個のアミノ酸は必須でなく, 28個のペプチドでも活性を有する. CTは, 哺乳類以外の動物では産卵, 破卵, 変態時に生理的に重要な役割を演じているために比活性が高いと考えられる. CTの持続性製剤は必要でなく, むしろCTの血中濃度を高濃度に持続するとdown-regulationを引き起こし, 薬効が失われる. CTとCT抗体をin vitroで反応させた溶液は血清カルシウム(Ca)低下作用を示さないが, CT抗体を産生させた動物にCTを投与しても血清Ca低下作用を示す. CTは骨粗鬆症モデル動物に対して予防/治療効果を示す. CTの鎮痛機序を説明できる動物実験系はできたが, 標的細胞はわからない. 【はじめに】カルシトニン(CT)は哺乳類においては甲状腺から分泌される血中カルシウム(Ca)を低下させるホルモンであり, 32個のアミノ酸からなる.
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※記事の内容は雑誌掲載時のものです。