「サマリー」1944年にLeãoが報告した皮質拡延性抑制(cortical spreading depression;CSD)は,片頭痛に密接に関係すると考えられているが,CSDが片頭痛の本体か否かという点に関しては結論が出ていない.その理由として,CSD後に頭痛を生じる機序が確立していないことが挙げられる.従来提唱されていたCSD後の血管拡張や炎症性メディエーターの放出のみでは,実際の片頭痛発作の痛みの出現や継時的変化を説明しきれなかったが,近年の研究報告ではこれらの問題点が解決されつつある.CSDと片頭痛の関連性に関しては,いまだ解決されていない問題もあるが,本稿では未解決な疑問に対する仮説も含め,片頭痛の発症機序におけるCSDの役割を解説する.
※本企画はテーマに対して,あえて一方の見地に立った場合の議論であり,必ずしも論者自身の確定した意見ではありません.
・総論/荒木信夫
・CSDが主体である/増田励
・Vascular factorが主体である/柴田護
・総括/荒木信夫
※本企画はテーマに対して,あえて一方の見地に立った場合の議論であり,必ずしも論者自身の確定した意見ではありません.
・総論/荒木信夫
・CSDが主体である/増田励
・Vascular factorが主体である/柴田護
・総括/荒木信夫