片頭痛の病態生理については,従来からさまざまな検討がなされている.1980年以前はvascular theory(血管説)が主流で,前兆の時期に血管が収縮し,その収縮が長く続かず,拡張に転じると頭痛が起こってくるという考え方であった.しかし,デンマークのOlesenらが,脳血流を連続的に測定してみると,頭痛は脳血流が低下している状態ですでに始まっていることを見出したため,「脳血管の拡張」=「頭痛」という考え方は誤りであると主張した.彼らはSPECTでの脳血流の変化の観察により後頭葉から前に向かって進む皮質拡延性抑制(cortical spreading depression;CSD)という現象が起こり,これが片頭痛の最初に起こる変化ではないかという説を打ち出した.
※本企画はテーマに対して,あえて一方の見地に立った場合の議論であり,必ずしも論者自身の確定した意見ではありません.
・総論/荒木信夫
・CSDが主体である/増田励
・Vascular factorが主体である/柴田護
・総括/荒木信夫
※本企画はテーマに対して,あえて一方の見地に立った場合の議論であり,必ずしも論者自身の確定した意見ではありません.
・総論/荒木信夫
・CSDが主体である/増田励
・Vascular factorが主体である/柴田護
・総括/荒木信夫