外科的治療をより安全に行うためには，生体への侵襲をできる限り軽減する必要があり，近年この侵襲に関する研究はますます重要視され，飛躍的な進歩を遂げている。本誌は侵襲学およびその周辺の基礎科学の最新の研究成果を速やかに，ビジュアルな誌面構成で提供し，外科臨床におけるその応用の促進をはかる。
■特集 疾患特異的iPSの基礎と臨床
○特集によせて／森 正樹
Ⅰ．疾患特異的iPSの基礎
１．疾患特異的iPSの基礎知識／三嶋崇靖 ほか
２．iPS細胞を用いたCINCA症候群/NOMIDにおける骨軟骨病変の病態解析／横山宏司 ほか
３．遺伝性不整脈疾患の遺伝子基盤に基づいた病態解明／村田広茂 ほか
４．消化器疾患を標的とした，疾患特異的iPSの基礎的研究／今野雅允 ほか
Ⅱ．疾患特異的iPSの臨床
１．NOD2変異に関連した自己炎症性肉芽腫であるブラウ症候群／神戸直智 ほか
２．循環器疾患における現況／伊藤正道 ほか
３．消化器疾患の治療を標的とした，疾患特異的iPSの臨床応用／川本弘一 ほか
■連載
◎What's New in SURGERY FRONTIER
・第85回 クロマチンのダイナミック変動とヒストンバリアント
①ヒストンバリアントとは／有村泰宏 ほか
②コアヒストンとしてのH2A／大川恭行
③ヒストンバリアントによるエピゲノム制御／原田哲仁
④癌におけるヒストンバリアントの役割／鈴木 拓 ほか
◎実験講座
165．次世代シークエンサーを用いたSNV解析法／鎌谷洋一郎
166．プロテオミクスを用いた網羅的解析法／植田幸嗣
◎腫瘍をめぐるQ&A
Q79．膵頭十二指腸切除術の適切なmarginは？／大橋朋史 ほか
Q80．スリーブ手術における最新の分子生物学的な知見について教えてください／柳本喜智 ほか
Q81．TGF-βの働きと癌治療への応用について教えてください／阪本卓也 ほか
◎バイオマーカーをめぐるQ&A
Q13．薬剤トランスポーター定量は抗癌剤感受性バイオマーカーとして有用か？／川口 桂 ほか
Q14．レクチンマイクロアレイ解析は大腸癌遠隔転移の予測が可能か？／中嶋健太郎 ほか