外科的治療をより安全に行うためには,生体への侵襲をできる限り軽減する必要があり,近年この侵襲に関する研究はますます重要視され,飛躍的な進歩を遂げている。本誌は侵襲学およびその周辺の基礎科学の最新の研究成果を速やかに,ビジュアルな誌面構成で提供し,外科臨床におけるその応用の促進をはかる。
■特集 骨転移病変に対する最新の基礎的知見と臨床マネージメント
○特集によせて/北川雄光
Ⅰ.固形癌転移と骨微小環境をめぐる最新の基礎研究
1.骨転移モデルによる病態解明と新規治療戦略/矢野聖二
2.RANKLシグナルを中心とした破骨細胞の制御と骨転移治療/宮本健史
3.固形癌骨転移の成立・進展の新しい基礎的知見/平賀 徹
4.破骨細胞イメージングによる骨破壊メカニズムの解明/菊田順一 ほか
5.骨転移における癌細胞による骨代謝制御機構/佐藤信吾 ほか
Ⅱ.エビデンスに基づいた骨転移治療戦略
1.骨転移病変の診断・評価および治療戦略/尾崎由記範 ほか
2.骨転移治療の大規模臨床試験によるエビデンス/河野範男
■連載
◎What's New in SURGERY FRONTIER
・第84回 感染機構と防御機構
①多剤耐性の遺伝子発現/水口 徹 ほか
②細菌の分泌装置―緑膿菌を中心に―/佐和貞治 ほか
③ファゴソーム内殺菌メカニズム/冨岡治明
④選択的オートファジーによる細菌排除/渋谷周作 ほか
◎実験講座
163.超音波遺伝子導入法の原理と方法/立花克郎
164.臨床応用を目指した超音波遺伝子導入の検討/小川良平 ほか
◎腫瘍をめぐるQ&A
Q76.細菌叢が癌微小環境に与える影響と治療反応性について教えてください/呉 鑫 ほか
Q77.miR-26aの血管新生阻害効果について教えてください/野口幸蔵 ほか
Q78.急性胆嚢炎に対する手術のタイミングについて教えてください/金村剛志 ほか
◎バイオマーカーをめぐるQ&A
Q11.胃癌第Ⅲ相臨床試験ACTS-GCにおけるバイオマーカー探索はどこまで進んだか?/金田聡門 ほか
Q12.Stanniocalcin2発現は大腸癌に対する抗血管新生療法の新たな効果予測因子となるか?/今野弘之 ほか