外科的治療をより安全に行うためには,生体への侵襲をできる限り軽減する必要があり,近年この侵襲に関する研究はますます重要視され,飛躍的な進歩を遂げている。本誌は侵襲学およびその周辺の基礎科学の最新の研究成果を速やかに,ビジュアルな誌面構成で提供し,外科臨床におけるその応用の促進をはかる。
■特集 質の向上のための可視化とその後の責任
○特集によせて/後藤満一 ほか
1.技術の可視化とその応用―見える化実践のポイント―/宮崎 洋
2.PCAPS臨床分析―診療プロセスの見える化―/水流聡子
3.手術技能の見える化/森 俊幸
4.がん診療のQIによる可視化とその後の責任/東 尚弘
5.がん登録等の推進に関する法律とがん登録/柴田亜希子
6.利益相反マネージメントにおける可視化の役割/土岐祐一郎
■連載
◎What's New in SURGERY FRONTIER
・第83回 Metabolomicsの最新情報
①肥満と慢性炎症・インスリン抵抗性/平田 悠 ほか
②肥満により変化する腸内細菌叢と癌/大谷直子
③肥満と摂食調節機構/箕越靖彦
④肥満の分子メカニズム―オーバービュー―/里見蕗乃 ほか
◎実験講座
161.遺伝子導入法「リポフェクション法」の要点/竹下文隆 ほか
162.エレクトロポレーションによる生体への遺伝子導入/宮崎早月 ほか
◎腫瘍をめぐるQ&A
Q73.癌幹細胞を標的とした癌ワクチンについて/富丸慶人 ほか
Q74.VEGFとEMT・癌幹細胞との関連について/小川久貴 ほか
Q75.肥満外科手術による糖尿病治療について/宮崎安弘 ほか
◎バイオマーカーをめぐるQ&A
Q9.Histone mRNAおよびmiR-760の発現変化は胃癌の進行と相関する/岩谷 岳 ほか
Q10.唾液メタボローム解析による癌の診断:簡便に採取可能な唾液は固形癌に対する有用な診断ツールとなるか?/砂村眞琴 ほか