外科的治療をより安全に行うためには,生体への侵襲をできる限り軽減する必要があり,近年この侵襲に関する研究はますます重要視され,飛躍的な進歩を遂げている。本誌は侵襲学およびその周辺の基礎科学の最新の研究成果を速やかに,ビジュアルな誌面構成で提供し,外科臨床におけるその応用の促進をはかる。
■特集 再生医療技術の新展開
○特集によせて/北川 雄光
Ⅰ.現在実現化に最も近い,外科領域における再生医療研究
1.骨髄細胞を用いた低侵襲な肝臓再生療法の開発/松田崇史 ほか
2.重症心不全に対する心筋再生治療/澤 芳樹
3.生体内組織再生誘導型の人工気管/大森孝一 ほか
4.iPS細胞を用いた脊髄再生医療/中村雅也 ほか
5.脳梗塞に対する再生医療/岡 真一 ほか
6.細胞シートを用いたESD後食道再生/大木岳志 ほか
Ⅱ.再生医療実現化に向けた問題点と今後の展望
1.再生医療産業化の元年/江上美芽 ほか
2.安全性の問題と展望/堀 桂子 ほか
■連載
◎What's New in SURGERY FRONTIER
・第80回 最新のin vivoイメージング
①in vivoイメージングの原理とその機種/賀川義規 ほか
②癌領域の分子イメージング/栗原宏明 ほか
③生体分子イメージングでみる血管機能とその破綻/西村 智
④腸管in vivo近赤外イメージング/座古 保
◎実験講座
155.脂肪組織由来間葉系幹細胞の分離とその利用/水島恒和 ほか
◎腫瘍をめぐるQ&A
Q64.癌が悪性形質を獲得する過程で変容する伝達経路を教えてください/三代雅明 ほか
Q65.癌と表面抗原(CD)の関係について教えてください/西川晋平 ほか
Q66.癌のプロテアソーム活性について教えてください(癌幹細胞との関連について)/加納義浩
◎バイオマーカーをめぐるQ&A
Q3.乳癌臨床における網羅的遺伝子発現解析の有用性と今後の展望/直居靖人 ほか
Q4.大腸癌の新たな予後因子としての血中PLS3発現/横堀武彦 ほか