外科的治療をより安全に行うためには,生体への侵襲をできる限り軽減する必要があり,近年この侵襲に関する研究はますます重要視され,飛躍的な進歩を遂げている。本誌は侵襲学およびその周辺の基礎科学の最新の研究成果を速やかに,ビジュアルな誌面構成で提供し,外科臨床におけるその応用の促進をはかる。
■特集 肥満の基礎と臨床
○特集によせて―肥満の疫学と最近のトピックス/平田公一 ほか
Ⅰ.肥満の基礎
1.肥満症例における食欲調節の変化/箕越靖彦
2.肥満症例における構成脂肪細胞の変化/杉原 甫 ほか
3.肥満症例における脂肪組織の炎症/田中 都 ほか
4.肥満症例における腸内細菌叢の変化/羽田裕亮 ほか
5.肥満症例における消化管ホルモン,神経内分泌ホルモンの変化/宮崎安弘 ほか
Ⅱ.肥満に対する外科治療
1.肥満症例に対する外科的治療のエビデンス/川野雄一郎 ほか
2.肥満症例に対する腹腔鏡手術時のアプローチ/入野誠之 ほか
3.肥満症例に対する術後管理/石塚 満 ほか
■連載
◎What's New in SURGERY FRONTIER
・第78回 臓器星細胞の機能
①肝線維化と星細胞/河田則文
②肝炎・肝硬変と星細胞/太田盛道 ほか
③膵線維化と膵星細胞/眞嶋浩聡 ほか
④膵炎と膵星細胞:PPAR-γ・AT-Ⅱ/清水京子 ほか
◎実験講座
151.ニホンウナギ筋肉由来の蛋白質UnaGのビリルビン結合依存的蛍光活性を利用した応用/宮脇敦史 ほか
152.培養脳スライスを用いた新生ニューロンのライブイメージング/藤掛数馬 ほか
◎腫瘍をめぐるQ&A
Q58.GIST切除後の再発リスクについて/高橋 剛 ほか
Q59.癌幹細胞の最新の知見と治療抵抗性/賀川義規 ほか
Q60.直腸低位前方切除術の縫合不全は予後に影響する?/竹政伊知朗 ほか
◎What's New in protease inhibitor
急性血液浄化療法とプロテアーゼインヒビター/鈴木 泰 ほか