近年の脂質代謝の研究は医学,工学,薬学,農学などあらゆる分野で,基礎的な研究にとどまらず応用の分野においても急速な進歩を遂げてきており,それらが病気の診断・治療に直接,間接に貢献してきたといえる。このような進展著しい脂質の研究の現況を,さまざまな視点から捉え,詳細な解説を加える専門誌。
■特集 オルガネラと脂質―基礎と臨床から―
・特集にあたって/田口友彦/村山 圭
Ⅰ.基礎
1.ミトコンドリアにおけるカルジオリピンによる内膜融合の制御機構/伴 匡人 ほか
2.小胞体のリン脂質分布制御機構と関連する疾患/辻 琢摩 ほか
3.ゴルジ体におけるスフィンゴミエリン含有膜ドメインと自然免疫シグナル(自然免疫分子STINGが惹起する自己炎症性疾患)/向井康治朗
4.リソソームとイノシトールリン脂質/長谷川純矢
Ⅱ.臨床
1.ミトコンドリア病と脂質代謝/大竹 明
2-1.ライソゾーム病/小須賀基通
2-2.中枢神経症状を伴うライソゾーム病に対する新しい治療/川島 聡 ほか
2-3.Niemann-Pick病における脂質代謝と治療開発/中村浩之
3.ペルオキシソーム病における脂質代謝と治療/高島茂雄 ほか
4.フェロトーシス発生におけるオルガネラの役割と肝疾患/山田直也 ほか
■連載
○見る脂質のページ〈イメージングと細胞解析でみるイムノメタボリズム〉
第2回 In vivoライブイメージング技術を活用したイムノメタボリズムの見える化/宮本 佑 ほか
○―海外文献紹介―レビューと考察(17)
64万人のエクソーム解析による肥満抑制に関連したGPR75遺伝子変異の同定/海老原 健
〇留学体験記(7)(8)
No.7 サンフランシスコ留学/米代武司
No.8 米国マウントサイナイ医科大学での留学体験記/坂本憲一
〇World Watch/吉野 純