脳の基礎研究と臨床の現場の橋渡しを目指す学術誌。神経生物学をバックボーンとして,脳の老化をはじめ正常な脳のメカニズムから遺伝の問題など,脳に関する情報をビジュアル化して解説。脳研究者はもとより脳の専門家以外の方々にも分かりやすい誌面構成。
『BRAIN MEDICAL』休刊のご案内と御礼
平素より格別のご高配を賜りまして,厚く御礼申し上げます。
弊誌は,主に脳神経領域の臨床・研究に携わる方々を読者対象とし,脳を多面的にとらえる総合誌として1989年12月に創刊されました。
これまで,脳に関するあらゆる情報を,ご専門以外の方々にもわかりやすいよう,できるだけ平易に解説していただきながら,基礎と臨床の橋渡し的な役割を担うことを使命として発行して参りましたが,諸般の事情によりこの通巻100号をもちまして,いったん役割を終えさせていただくこととなりました。
25年の長きにわたり,弊誌を温かく支えてくださいました読者の方々,編集顧問・編集アドバイザーの先生方,本誌にご執筆いただきました諸先生方,そして他誌に類をみない幅広いテーマを特集としてご企画いただきました編集委員の先生方に,あらためて心より御礼申し上げます。誠にありがとうございました。
株式会社メディカルレビュー社
BRAIN MEDICAL編集部
■特集 BRAIN MEDICALの四半世紀
○休刊の辞/岩田 誠
1.日本の神経学―過去・現在・未来/髙橋 昭
2.HE染色を入口とした神経病理学の始まり―ジンマーマン先生の無言の功績/生田房弘
3.症候学とは何か―Dejerine著「神経系疾患の症候学」の出版100年にあたって/岩田 誠
4.遺伝から環境へ―エピジェネティックス時代の分子脳神経科学/黒田洋一郎
○100号記念特別鼎談
・BRAIN MEDICALの四半世紀と神経科学の進歩/岩田 誠/黒田洋一郎/芳賀達也
○追悼
・中野今治先生を偲んで/岩田 誠
○休刊に寄せて/永津俊治/萬年 徹/髙倉公朋/小阪憲司
○随想
・BRAIN MEDICAL 100号完了に寄せて/岩田 淳
・BRAIN MEDICAL,俗世間を超えた高尚な脳科学教養誌?/桑原 聡
・BRAIN MEDICALと私の四半世紀/河村 満
・研究業績のデフレ化のなかで/正高信男
■連載ほか
○What can we see in a single picture?―1枚の写真から
・ロゼット形成性神経細胞性腫瘍(RGNT)/小森隆司
○神経内科の文学散歩
・有吉佐和子の『恍惚の人』―デメンチア/岩田 誠
○日本の脳研究者たち
・萬年 甫/岩田 誠
○脳科学ちょいといい話
・いろはにほへと
[Supplement]夢で自由になる/北浜邦夫