「臨床呼吸機能検査第8版」は2008年に刊行した第7版をもとに改訂し作成しました。
本テキストは，呼吸器病学において重要な位置を占める呼吸機能検査の原理の理解に加え，検査の施行においても非常に役立ってきたと思います。1961年から行われてきた伝統ある肺機能講習会（現，臨床呼吸機能講習会）の教科書として，諸先輩から継承・発展してきたレガシーともいえるものです。
今回の改訂では，より正確で，わかりやすい内容を心掛けました。手に取られた呼吸器診療に携わる皆様の一助になることを祈念いたします。
（一ノ瀬正和「序」より一部抜粋）
基本編
１．呼吸機能入門
２．スパイロメトリーと肺気量
３．努力呼気曲線，フロー・ボリューム曲線，ピークフロー
４．換気力学：コンプライアンスと抵抗
５．Chest wallと呼吸筋
６．肺胞気・死腔・シャント
７．拡散
８．クロージングボリューム
９．換気血流比不均等分布（理論と臨床的意義AaDO2）
10．血液ガス
11．パルスオキシメータと臨床応用
12．酸塩基調節
13．呼吸調節
14．肺循環調節
15．呼吸機能検査の組み立て
応用編
１．閉塞性換気障害をきたす病態
２．拘束性換気障害をきたす病態
３．肺の循環障害
４．低酸素血症をきたす特殊な病態
５．気道内径調節のメカニズム
６．気道過敏性
７．運動負荷試験と評価
８．呼吸困難の評価
９．換気応答検査
10．呼気ガス分析（NO，CO，CO2），呼気凝縮液
11．睡眠呼吸障害
12．術前呼吸機能検査
13．急性呼吸不全とその対応
14．慢性呼吸不全とその対応
15．呼吸リハビリテーション
16．吸入療法
17．嚥下障害
18．加齢と呼吸機能
19．小児における呼吸機能検査
20．基準値と各種ノモグラム
21．行政関連項目―身体障害者福祉法，難病対策，じん肺法，石綿被害救済法，介護保険法