書籍
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2009.06.30 発売
禁煙治療マニュアル
定価 3,300円(本体3,000円+税)
発行形態 A4判 / 102ページ
ISBN 978-4-7792-0432-6
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3,300 (税込)
内容紹介

タバコの薬物依存性は非常に強力であり,ヒトの行動を変容させるという作用もある。そのような悪影響が認知されているにも関わらず依然として消滅することなく,この世に存在し続けている。


なぜこの有害物質を日常的に吸引し続けるという悪習を根絶できないのか―それは,単なる生活習慣として喫煙者自身の心構えや努力に委ねられている傾向が一要因として挙げられる。薬物依存の強い喫煙習慣から脱却するには他の疾患と同様,専門家による治療が必要であるが,医療の現場で十分に取り組まれてきたとはいえない。


日本呼吸器学会は昭和36(1961)年の発足当初より喫煙傷害を主たる研究テーマに掲げ,喫煙勧告や喫煙宣言を他学会に先駆け掲げ,率先して常に国民へ喫煙習慣の制圧や禁煙の重要性を発信し続けてきた。その歴史的経緯はいまや半世紀を迎えようとしており,禁煙治療マニュアルもまたその延長線上に位置する書である。今回の刊行にあたり,本書が日常診療のなかで使用され,一人でも多くの喫煙者への助けとなり,一日でも早く悪しき習慣から開放されることを心より願っている。


(日本呼吸器学会常務理事

日本呼吸器学会 喫煙問題に関する検討委員会 委員長

永井厚志「巻頭言」より)

目次

第Ⅰ章 喫煙・禁煙に冠する歴史的背景

 1. タバコ蔓延と規制に関する世界の動き

 2. タバコ蔓延と規制に関するわが国の動き


第Ⅱ章 タバコ煙に関する基本的知識

 1. 一酸化炭素

 2. タール

 3. ニコチン


第Ⅲ章 喫煙が全身へ及ぼす影響

 1. 生存と死亡に関する影響

 2. 呼吸器以外のがん

 3. 循環器疾患

 4. その他の疾患


第Ⅳ章 喫煙が呼吸器へ及ぼす影響(総論)

 1. なぜタバコは肺に悪いか

 2. 病理,病因および発がん

 3. 呼吸機能への影響

 /1.急性影響 /2.慢性影響 /3.肺年齢


第Ⅴ章 喫煙が呼吸器へ及ぼす影響(各論)

 1. 慢性閉塞閉肺疾患(COPD)

 2. 肺がん

 3. 気管支喘息

 4. 肺結核

 5. その他の呼吸器疾患

 /1.自然気胸 /2.間質性肺疾患 /3.急性好酸球性肺炎 /4.術後肺合併症


第Ⅵ章 受動喫煙の影響とその対策

 1. 全身への影響

 2. 呼吸器への影響

 3. 最新の室内気基準からみたあるべき受動喫煙対策

 /1.粉塵濃度基準に関する世界と日本の差 /2.日本呼吸器学会が推奨する受動喫煙対策


第Ⅶ章 喫煙指導の基本

 1. 一般の医療現場における短時間の介入

 2. 禁煙に無関心な喫煙者に対する介入

 3. ニコチン依存症の診断


第Ⅷ章 禁煙外来における禁煙治療

 1. 禁煙治療カウンセリングの技法

 /1.行動科学に基づくカウンセリング /2.初診時カウンセリング /3.再診時カウンセリング

 2. 禁煙治療薬について

 /1.ニコチン置換療法(NRT) /2.α4β2レセプター作動・拮抗薬

 3. 禁煙治療の保険適用

 4. 社会的リソースを用いた禁煙指導


第Ⅸ章 一般呼吸器外来における禁煙治療

 1. 無関心期の喫煙者に対するケーススタディ

 /はじめに /症例1 自覚症状はなく検査でも異常がない無関心期 /症例2 自覚症状はないが検査異常(肺気腫)がある無関心期 /症例3 症状はないが検査異常(微小結節)がある無関心期 /症例4 軽度の症状はあるが検査では異常がない無関心期

 2. 関心期の喫煙者に対するケーススタディ

 /はじめに /症例5 検査異常で経過観察中の関心期 /症例6 症状があって定期通院中の関心期 /症例7 喘息でしばしば救急室受診 /症例8 重症喘息で仕事ができないまま経過中


第Ⅹ章 入院患者への禁煙治療

 1. 入院患者への禁煙治療の基本

 2. 入院症例におけるケーススタディ

 /症例1 進行肺がん患者への禁煙指導 /症例2 退院間近な患者への禁煙指導 /症例3 COPDの増悪で入院してきた認知症をもつ患者

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