誌上ディベート
口腔顎顔面の筋力トレーニングの是非 表情筋トレーニングはしわ,たるみを悪化させる
アンチ・エイジング医学 Vol.11 No.4, 77-83, 2015
「はじめに」口腔顎顔面の筋力トレーニングというと,その対象となる筋は顔面の表情筋,神経麻痺,咀嚼や嚥下,構音,表情障害など口腔外科領域すべてが広く含まれる。また,トレーニングの適応としては,病的な症状に対して診断を基に理学療法として行う場合と,診断のないまま美容法として行う場合がある。最近筆者は,しわ,たるみに対する表情筋トレーニングの効果の有無についてよく患者に質問される。インターネットや書籍上には,“効果がある”ことを前提にした単純な実践方法だけが大量に巷にあふれていることが背景にある。しわ,たるみの改善や予防に対して表情筋トレーニングは有効なのか? 抗加齢医学の一環として,この課題は重要かつ興味深い。そこで今回は,数ある顔面筋トレーニングの適応の中から,顔面のしわ,たるみに対する表情筋トレーニングの是非に限定して話を進めたい。ちなみに,筆者はしわ,たるみ治療を専門としている形成外科医であるが,臨床経験上,この課題に対しては「非」であると考えているので,その見解を述べる。
・口腔顎顔面の筋力トレーニングの是非/坪田一男
・口腔顎顔面トレーニングは有効である/阪井丘芳
・表情筋トレーニングはしわ,たるみを悪化させる/宇津木龍一
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。